空蝉の光 -桜花乱舞-
「暇…」
お父さんも会合に出かけているから、家には私一人。
暇を持て余した私は世梨の家に行くことにした。
「――で、どうして、また隣を歩いてるの?一哉君」
私は隣を歩く一哉君を睨みつけた。
「ん?桜ちゃんを見つけたから」
理由になってないし!
私は満面の笑みでそう答える一哉君に一気に脱力した。
もうあんまり突っ込まないようにしようかな…。
よし、もう突っ込まい!
そう決意した私はうなだれながら、歩き出した。