空蝉の光 -桜花乱舞-


すると、私の後を追って来たらしく、一哉君と恭介が部屋に入って来た。



一哉君は血まみれのお母さんを見るなり、駆け寄った。



「背中から腰にかけて、約2cm…。出血のわりに浅いな…」



傷の様子を見るなり、一哉君は上着を脱ぎ、腕まくりをした。



「あんたは…?」



お父さんは顔面蒼白のまま、一哉君を見た。





< 75 / 244 >

この作品をシェア

pagetop