あなた
でも、お前に今日会って
それでいいって思ってた途中に
お前の母ちゃんのアルバムみた。
見て見ろよこれ』
そういうと彼は
アルバムの一枚の写真を指さした
その写真は
僕が母のお腹の中にいる時のものだった
『お前の母ちゃん、お前がいる
お腹みてこんなに幸せそうに笑ってる。』
そう言って、彼は涙を流し始めた。
ぐっとこらえていたのか
涙は大粒に落ちて、肩が震えていた。
「...おぃ...」
俺から出た精一杯の言葉だった。
“大丈夫か?”
なんて気休めの言葉は安っぽく感じて
すぐに言葉を飲み込んだ。
しばらくこの後沈黙が続いたが
彼は『俺もこんな風に思ってくれていたかな?』と呟いた