幸せの浮かぶ夕空
早那は笑いながら


「ちゃんと来た」


なんて言った。


そりゃなあ,行くよ。


「明日は行かねぇぞ」


早那と話しながら教室へ


向かう。何人かが振り向いた。


「…ね,村井くんじゃない??」


「わ…なんで??」


なんて声。頬を染めて


話す,女たち。


「おれ,来ちゃダメだったのか―??」


「なあに言ってんの!!
来なきゃいけないの」


そっか。
“来なきゃいけないの”かい。


じゃあどうして


“なんで??”なんて


言われてんだ…??
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