冷たい旦那様


『ず、ずっと……好きだったんです!よかったら付き合ってくれませんか…!?』


『……ん。いいよ』



高校の頃、私からの告白で始まった悠人との関係。


同じクラスで隣の席で、普段は素っ気ないくせにたまに見せる、子供みたいな無邪気な笑顔が可愛くて。


この人の特別になりたい。この人と一緒にいたい。そう思うようになった。


元々甘~いことをしてくれるような人じゃなかったけど、さりげなくも、愛を感じる瞬間があるんだ。


そして付き合い始めて3年と2ヶ月目のある日。



『…一緒に、住まねぇ?』


『……え?』



最初は聞き間違いかと思った。けど驚いて見た悠人の顔が、湯気が出そうなくらいに真っ赤で。


“結婚して下さい”って、ボソッと呟かれた時は、涙でもう前が見えなくなった。



『…はいっ…!』







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