冷たい旦那様


私が食べ始めて5分もしない内に、悠人はごちそうさま。


食器を片付け急いで寝室に戻って行った。


…あ、もう時間か。


時計を見上げ、零れる溜め息。



悠人は大手企業に勤める私の旦那様。毎日忙しくて、朝は7時には家を出て、帰宅は夜中の12時を過ぎるのなんて当たり前。


毎日毎日、疲れきった悠人の顔を見ると、甘えたい感情を表に出すことなんて出来なくて。


家で交わす会話だって限られてる。挨拶とか、本当に必要最低限の事だけ。


悠人が頑張ってくれてるのは分かる。私も、そんな努力家な悠人を好きになったんだもん。





< 2 / 41 >

この作品をシェア

pagetop