兎の方向⇄
兎佐美Sid.
びっくりした。
だって先生にすごく似てたから。
「頼輝さん…性格まで先生にそっくりだったなぁ……」
自分のデスクに向かい、カルテを書きながら思わず呟いてしまった。
兄弟揃ってモテるんだろう。
「今日みんながいたら発狂してただろうな……」
苦笑いをしてまたカルテに目を落とす。
私の目に入ったのは大量に積み重ねられたカルテ。
……先生が帰って来るまでに少しでも減らして置こう。
そう思って私はまたペンを動かし始めた。