自由と孤独のあいだで
夜の雲
夜の雲は少し厄介者だ

星や月を隠してしまい、夜をさらに暗くしてしまうから

夜の雲を人は眺めない

星、月、惑星と昼間見えないものを人は見たがり、夜の雲の姿には興味はない

夜の雲は不眠症だ

朝から次の朝へ、眠るタイミングを忘れ、プカプカ流れているんだろう

夜の雲はきっと孤独だろう

愛されもせず、気にも留められず、たまに存在が邪魔にされるから

夜の雲はきっと夜が嫌いだろう

だって、朝が来れば、太陽が黒を青に塗り替えて、自分の存在が皆に受け入れられるから

夜の雲は今日も願うだろう

早く朝が、いや、早く太陽が昇ることを
< 3 / 25 >

この作品をシェア

pagetop