【短編】意地っ張りなキミに。
その時、やっと分かったんだ。
俺が今まで、どんなにバカだったか。
自分で確かめてもいないのに、
勝手に不安になって。
それを打ち消すために、勉強に逃げて……。
例えそれで成績が上がったとしても、
沙羅がいなくちゃ意味がない。
その前に……
勉強なんて手につくはずがなかったんだ。
頭の中は、いつも沙羅でいっぱいなのだから。
沙羅の笑った顔も……
怒った顔も……
何も聞かずに思い出にすることなんて、
できない――…。