【短編】意地っ張りなキミに。
いったい何が起きたのだろう――…。
突然の出来事に俺はただ茫然と突っ立っていた。
気が付いた時には、
真っ青な顔をした沙羅が俺の足元で倒れていて。
一緒にいた男が、沙羅を抱きかかえている。
「沙羅ちゃんっ!
沙羅ちゃんっっ!!
ちょっと君!何突っ立ってるんだ!
早く家の中へっ!!」
「え…あ…はいっ」
慌てて返事をしたものの、俺はかなり混乱していた。
状況もよく分からないまま、中にいた沙羅の母親に声を掛ける。
頭の中は……
すでに真っ白だった―……。