【短編】意地っ張りなキミに。
「なぁ、歩夢?
まだ沙羅ちゃんからの連絡来ねぇの?」
そう言って俺に話しかけてきたのは、
中学校からの親友である今井勇太(イマイユウタ)。
高校のクラスも一緒で、
目指す大学も同じ。
俺にとって、何でも話せる友人だった。
俺は、鞄の中からケータイを取り出し、メールの問い合わせをする。
『新着メール 0件』
その文字を確認すると、勇太に向かって、ボソッと呟いた。
「来てねぇな……」
そう。
これこそが俺の……
最大の悩みだった。