【短編】意地っ張りなキミに。
「沙羅……もういいよ。
分かったから……。
だからもう、無理すんな」
そう言って、そっと沙羅の背中をさすった。
「ごめっ……なさい」
「……うん」
――本当は……謝らなきゃいけないのは俺の方。
――沙羅……
ごめんな??
いつもつまらない意地張って……
なかなか気付いてやれなくて……
ごめん。
でも、これからは……
ちゃんと支えるから。
何かあったら……
すぐに飛んでいくから……。
だから。
だから―――…
「沙羅」
俺の声に、沙羅がようやく顔を上げる。
「これからは……ひとりじゃないからな。
だからもう、強がんなよ?」
そう言って。
俺以上に意地っ張りなキミに……
だけど、ちょっぴり寂しがり屋なキミに……
優しく……キスをした――……。