【短編】意地っ張りなキミに。
実は、俺には付き合って3年目になる彼女がいる。
名前は、青井沙羅(アオイサラ)。
小学校の頃からの腐れ縁で、ケンカばかりしていた俺たちは、中学卒業を機に付き合い始めた。
正確には、友だちにくっつけられたという感じだろうか。
2人とも意地っ張りのため、お互い好きなのに敢えて反対の態度を取ってしまう……
そんな俺たちを見兼ねた友人たちが一致団結して。
「歩夢!
沙羅ちゃん、引っ越すらしいぞ」
……と嘘をついたのだ。
‘沙羅と離れたくない’
そう思った俺は、自分でも驚くほど素直に沙羅への気持ちを言うことができた。
そこで、沙羅も同じ気持ちだということが分かったんだ。