プレシャス
「も~、ダル~いっ」
のんびり過ごせた冬休みが明けると
慌ただしい日常が当たり前のように戻ってくる。
あたしと頼子がいる英文科も、
大造や圭介、そして修がいる経営学部も
どの学部も進級に当たって課題レポートと、ゼミでの論文の提出が必須科目。
さらに、学年の最後には定期考査が待っていて。
冬休みが明けた途端、机にかじりつかなきゃいけなくなる。
「…買い物いきた~い」
昼休みもランチが終われば即、図書館。
レポートに必要な教材を集めてるあたしの横で、シャープペンをくわえてイジケてるのが一匹。
「もう…頼子ってば、そんな暇ないでしょ」
「だってぇ~…つまんないんだもん」
さっきから、体育座りでブーイングばっかの頼子は
ただ今、圭介欠乏症発症中。