プレシャス






カランと。
日が暮れた夕方。


来慣れた扉のベルが鳴る午後7時










「ぷはぁ~っ、疲れた~っ」


「お、いらっしゃい、久しぶりにみんな揃ってるね」









迎えてくれるのは
気前が良くていつも優しいこの店のマスター。








「マスター久しぶり~っ!!会いたかったよぉ」


「あはは、頼ちゃんも元気にしてたかい?」








溜まりに溜まった課題も大部分が片付いて。


残るは2週間後にある学年末考査のみ。






“ここらで息抜きしとかないと、頼子がいつ暴れだすか分からない”



なんて
大造が言い出して、
久々にみんなでお邪魔することになったんだ。









「やっぱ金曜の夜は混むね~」


「おかげさまで」





週末だって事もありカウンターも人で埋まってて。


賑やかな店内はいつもよりも話し声と笑い声がいっぱいだった。




< 64 / 76 >

この作品をシェア

pagetop