プレシャス
カランと。
日が暮れた夕方。
来慣れた扉のベルが鳴る午後7時
「ぷはぁ~っ、疲れた~っ」
「お、いらっしゃい、久しぶりにみんな揃ってるね」
迎えてくれるのは
気前が良くていつも優しいこの店のマスター。
「マスター久しぶり~っ!!会いたかったよぉ」
「あはは、頼ちゃんも元気にしてたかい?」
溜まりに溜まった課題も大部分が片付いて。
残るは2週間後にある学年末考査のみ。
“ここらで息抜きしとかないと、頼子がいつ暴れだすか分からない”
なんて
大造が言い出して、
久々にみんなでお邪魔することになったんだ。
「やっぱ金曜の夜は混むね~」
「おかげさまで」
週末だって事もありカウンターも人で埋まってて。
賑やかな店内はいつもよりも話し声と笑い声がいっぱいだった。