禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~
 ブラインドから差し込む強い光で、私は目を覚ました。隣では、愛しい和也が静かな寝息を立てている。


 こんな日が来るなんて、夢みたい……


 まだ体に残った和也の痕跡を感じながら、そんな感傷に浸っていたら、


コンコン


 ドアを強く叩く音に私はビクッとした。


『志乃、今日はお休みなの?』


 母だ。日頃の常として、母はこの直後に部屋のドアを開けるはずだ。ちなみにドアに鍵はない。和也の部屋も。


 私は瞬時に蒲団を跳ね退けると、猛然とドアに突進した。そして、微かに開きかけたドアにバンと手の平を当ててそれを阻止した。


 ふぅー。間一髪、間に合った……


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