禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~
 ところが、

「だ、ダメだよ。おやじさんがいつ工具を返しに来るかわからないんだぜ?」


 と和也に言われてしまった。確かにそうだけど。


「チェッ。つまんな~い」


 せめてドアに鍵が掛けられたらなぁ……


「ねえ、ドアに鍵を付けたらどうかしら?」


「え? 急にそんな事したらかえって怪しまれるよ。“なぜ?”って聞かれたら、何て答えるんだよ?」


「それもそうね……」


 ああ、不便だわぁ。結局、和也とイチャイチャ出来るのは、父も母もいない時って事よね。でも、父はいない方が多いけど、母って、せいぜい買い物で少し出掛ける程度で、ほとんど家にいるイメージよねぇ。って事は、家では無理って事じゃん?


「姉貴、着替えて出掛けようよ?」


「うん。でも、どこに?」


「ん……車で少し遠くへ行った後……、ホテル、とか?」


 和也は、頬を赤らめながらそう言った。和也も私と同じ事を考えたらしい。


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