禁断の姉弟愛 ~欺くのはどっち?~
 しばらく走り、隣の県に入ってから私達はレストランで食事をした。ここまで来れば、余程の偶然でもない限り私達を知る人に見られる心配はないはずだ。


 そしてお腹が膨れた後、私達は国道沿いのモーテルへと入って行った。

 私はモーテルに入るのは初めてだけど、和也はそうでもないみたい。変わった方式のチェックイン(?)だけど、和也はほぼ迷わず手続きをしていたから。


「私、こういう所初めて来た」


「あ、そうなんだ……」


 モーテルの部屋って、私が想像していたのとは全然違った。もっと暗くて品のない所かと思ったけど、キラキラして明るいし、カラオケやゲーム機なんかもあったりして、広くはないけど殺風景なビジネスホテルなんかよりよっぽど面白いと思った。


「あんたはよく来るの?」


「え? ま、まさか!」


「でも、初めてではないようね?」


「それはまあ、何回かはあった、かな」


「ま、いいわ。でも、これからはダメよ。他の女と来ちゃ」


「あたりまえだろ?」


「浮気しないでね?」


「しないよ。姉貴こそ……」


「私はしないわよ。和也以外の男なんか、全然目に入らない」


「俺も同じさ……」


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