一緒に、歩こう





いつものコンビニの

前を通る。

すると、聞き慣れた

声が耳に入った。





「いかがっすか~」




そこにいたのは、

クリスマス用のケーキを

売っている矢野くん。

鼻の頭は真っ赤、

吐く息は真っ白。

まるで2日前の彼を

見ているようだ。




「矢野くん…、」




「何やってんだ、お前」




あたしがそこにいることに

驚いている彼。

あたしは自然と、

顔がほころぶ。





「出かけてた帰りなんだけど」




「また1人で帰んのかよ」




矢野くんは、息を吐いて

あたしを見つめる。

あたしは、少し溜めて

頷いた。


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