一緒に、歩こう
「隼人くん」
そこに、奥から
おじさんが出てきた。
「あれ、彼女さん?えらい美人だね」
「やめて下さいよ、店長」
矢野くんが、その
おじさんを店長と呼んだ。
「もう帰っていいよ。ケーキ売れないし」
「あ、分かりました。お疲れ様っす」
「ケーキ1つ持って行きなよ。彼女と食え!」
そう言って店長さんは、
矢野くんに箱を手渡した。
「すいません」
矢野くんは礼を言うと、
箱を受け取る。
「お前帰るんだろ。送ってく」
何も言うタイミングが無く、
矢野くんは奥に入って行った。