一緒に、歩こう
「どう捉えたか知らねぇけど。俺は、お前が嫌いだってことは、絶対ないって言った」
「…嘘、だってないって…」
やっぱそんなことだろうと思った。
矢野くんはそう言って、
ふっと笑った。
「とにかく。お前が思ってるような気持ちじゃねぇし。勘違いすんな」
矢野くんはそう言って、
準備室を出て行った。
あたしは。
「なんだ…、あたしの早とちり…か、」
急に恥ずかしくなって。
よかった、よかったと
繰り返して泣いた。
矢野くんがあたしを
嫌ってなかった。
「ばかじゃん、あたし」
それから数時間、
あたしはその場から
動けず、
矢野くんからもらった
ネックレスを
ずっと眺め続けた。
やっぱりあたしは、
彼を好きだった人には
出来ないようです。