一緒に、歩こう
始業式が始まって、
あたしは檀上より
入口の方が気になった。
気が付けば、
あたしは首元にある
ネックレスを握っている。
あれから毎日つけている、
矢野くんにもらった
ネックレス。
あたしが1人勝手に、
繋がれている気がして。
「じゃあ、春休みの宿題出して~」
始業式はあっという間に終わり、
矢野くんは間に合わなかった。
担任は教室に帰ると、
宿題を集める。
あたしは後ろの入口で、
光景を見ていた。
「あ、矢野!」
突然男子生徒が声を上げる。
あたしは驚いて見ると、
矢野くんが真横に立っていた。
「遅れた」
悪びれる様子もなく、
矢野くんは窓際の席に
着いた。