一緒に、歩こう
放課後になって、
あたしは教室に戻る。
掲示板の近くに立ち、
張り替えていく。
「何だか…、久々」
あの日から。
矢野くんがあたしに
想いを告げた日から、
放課後の教室に行くことを
避けていた。
もし彼がいたとしたら。
もしいきなり現れたら。
あたしはきっと、
避けてしまうから。
「よし、完了!」
完璧に仕上げた掲示板。
誰も来ない教室。
あたしは、明日のために
準備室へ向かった。
廊下を歩く中、
あんなこと、こんなことが
あったなと思い出す。
このネックレスだって…。
「…、んで、いるの、」
準備室で、
矢野くんにもらったんだ。