一緒に、歩こう
「…矢野くんっ」
彼女に別れを切り出すのも。
あたしに想いを告げるのも。
いつだって、突然。
「何なんだよ、お前…」
「どうしたの、矢野くん…っ」
こうやって、ほら彼は。
不器用に想いを
ぶつけてくる。
どんな時でも、彼なりに。
彼の感情をぶつけてくる。
「朝比奈、」
矢野くんはあたしを
いきなりあたしを抱きしめて。
ぎゅっと。力を込めた。
「矢野くん…やめて?」
「悪ぃ」
もう怖くなんかない。
彼の想いが、
痛いほど伝わる。
それ以上に。
もう嬉しいしか出ない。
だけど。