一緒に、歩こう





「うぁっ」




窓の下に隠れるように

あたしを連れ、

身を屈める。





「静かにしろって。うるせぇの」





「…、ごめん」





密接な距離。

今にも顔を上げたら。

キスしそうな―――、





「キス、したくなる」




距離なんだってば。





「ダメ…っ!」




あたしは思い切り突き飛ばす。

彼の体はびくともしない。




「ばーか。しねえよ」




意地の悪い笑み。

それがものすごく、

綺麗でかっこいい。



< 201 / 497 >

この作品をシェア

pagetop