一緒に、歩こう
「先生、これ出ないと、どうなりますか?」
「単位出しません」
きっとみんなは、あたしのこと
厳しい先生だと思うだろうけど。
違うの。あたしのせいじゃないの。
英語科の先生が決めたのよ…。
「以上で授業を終わります。補習ない人も宿題の提出日期限を守るように」
それだけを言い終えると、
教室を後にする。
テストだったこともあって、
なかなか会えなかった
矢野くんに会えて
あたし1人喜んでいる。
補習のことを言うのは、
すごく心が痛かったけど。
だけど、当たり前のように
名前が挙がった。
矢野隼人という男。
英語科の先生は、迷うことなく
矢野くんの名前を指定した。
あたし自身、否定なんて
しなかったんだけど。