一緒に、歩こう
8
それから1週間。
矢野くんは毎日、あたしに
会いに来てくれている。
夜、少し家の中に
入ることもある。
少しだけの時間が、
あたしにとって1日の
1番楽しみの時間でもあった。
「え~、今日は」
朝のHR。
教卓には担任が、
忙しそうに連絡をしている。
あたしも朝校長が言ったことの
メモを見ながら内容を
確認していく。
「紹介したい人を連れて来ています」
なのに、
今日はあたしの
知らないことが
連絡された。
「どうぞ~」
ドアが開いて、人が入って来る。
生徒からは歓喜の声が上がる。
あたしは目を、見開いた。