一緒に、歩こう
「皆さん、おはようございます!」
爽やかな声が教室中に響く。
女子は黄色い声、男子は
眼差しの目。
「今日から1ヵ月近く教育実習生としてお世話になります。橋詰 竣です」
自己紹介も終わってないのに、
生徒達は拍手をしている。
前にいる男性は、頭を
ペコペコと下げていた。
あたしは手に持っている
バインダーで顔を隠す。
が、時すでに遅し。
「顔隠しても分かるぞ~」
前にいる男性は、
後ろにいるあたしに
そう言ったのだ。
「…最悪、」
「橋詰先生と朝比奈先生は同級生なんだって。皆今日から1ヵ月、橋詰先生と仲良くするようにね~」
じゃあ、終わり。と
担任が出て行く。
あたしも急いで後を追う。
その後ろを。