一緒に、歩こう




「何だよ、慌てて」




待ってましたと

言わんばかりに、

矢野くんが立っていた。




「あ、ビックリした…」




「今日の夜さ、」




そう言いかけた時。




「朝比奈先生!」




彼の。

竣の声が響いた。

矢野くんの目の前で。




「何ですか?」




素っ気なくそう言うと。

誰にも聞こえないように。





「今日の夜、空けといて」




「…は?」





何を考えてるか

知らないけど。



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