一緒に、歩こう





あたしはすぐに帰ろうと、

職員室を出た。

竣が戻って来ない内に。

矢野くんに早く

連絡取らないと。

あたしは学校出るなり、

急いで携帯を開いた。

車に向かう間に、

矢野くんに電話をかける。

プルルルル…、と

コール音が鳴る。

あたしはいつも以上に

緊張していた。





『もしもし』




「あ…、もしもしっ」




電話越しに聞こえる

矢野くんの声に。

あたしはひどく安心する。





『何?』




「あ、えっとね…」




『てか、直接言えよ』




そう言われた時。

電話の外から、

矢野くんの声が

聞こえてきた。

< 254 / 497 >

この作品をシェア

pagetop