一緒に、歩こう
あたしはすぐに帰ろうと、
職員室を出た。
竣が戻って来ない内に。
矢野くんに早く
連絡取らないと。
あたしは学校出るなり、
急いで携帯を開いた。
車に向かう間に、
矢野くんに電話をかける。
プルルルル…、と
コール音が鳴る。
あたしはいつも以上に
緊張していた。
『もしもし』
「あ…、もしもしっ」
電話越しに聞こえる
矢野くんの声に。
あたしはひどく安心する。
『何?』
「あ、えっとね…」
『てか、直接言えよ』
そう言われた時。
電話の外から、
矢野くんの声が
聞こえてきた。