一緒に、歩こう
だけどやっぱり、
さっきとは違う。
竣と2人の時よりも、
嬉しくて楽しくて
心地がいい。
きっとあたしの中で、
竣を拒絶してるんだと思う。
彼の近くは、もう
あたしの居場所じゃない。
「矢野くん、着いたよ?」
優しく揺する。
矢野くんはちゃっかり寝ていて、
少し唸りながら目を覚ます。
「おはよ?」
帰るのに、少し時間が
かかってしまって
もう真っ暗。
「着いた?」
「うん、起きて?」
矢野くんはシートを上げ、
深い息を吐く。