一緒に、歩こう
「用って、何?」
いきなり本題に入るあたし。
彼は、少し切なそうな
目をあたしに向けた。
「場所変えよう。ゆっくり話したいから」
そう言われ、あたし達は
近くにある公園に移動した。
公園はブランコと
滑り台以外何もない場所で、
殺風景な空き地。
誰もいない、この場所に
あたしと竣は黙って佇む。
「懐かしいな、これ」
竣はブランコに乗って、
キコキコと音を立てながら
漕ぎ始めた。
あたしも隣に座る。
早く用事を済ませてほしい。
それがあたしの本音。
「ねえ。用って何なの?」
「あ…、うん」
催促する。
だって、この場所が
居心地悪くて。