一緒に、歩こう




「あの頃、仲良かった清水って、覚えてる?」




「圭太…くん?」





清水圭太くん。

竣の同級生で、

すごく面白くていい人。

あたしも仲良くしてくれて、

3人で遊ぶことも多かった。





「清水、実はお前のこと好きだったんだよ」




「…え?」




「俺、それを聞いた時。自分の幸せより、あいつが幸せになってほしかった」




何、それ。

何なの…、意味分かんない。





「俺と芽衣子は幼馴染だったし、別れてもいつも通り仲良く出来ると思ってたんだ」




竣があたしを嫌いだって

言って別れたのは。

嘘だと言いたいの?





「だけど別れて、やっぱり芽衣子が好きで。ずっと会いたかった」





甘い言葉があたしを纏う。

今更、と思う気持ちと。

何で早く言ってくれなかったの、

と思う気持ち。


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