一緒に、歩こう




「ちょっと、いつ帰るの?」




「ちょっと待てよ。余韻に浸ってるんだから」




花束を片手に、

色紙を見ている。

あたしも、あんな頃が

あったな、と

懐かしく感じた。





「もう戸締りしないといけないんだけど」




「もう出るから!」




ぶつぶつと言い合う

あたし達。

そこには昨日の2人じゃなく、

幼馴染で仲良かった

あたしと竣がいた。





「でも教師って、やっぱいいな…」




「本当そうだよ。生徒達も色々な子いるけど、やっぱり先生って呼ばれるの嬉しいもん!」





廊下を歩きながら話す。

もうここで話すのは、

最後なんだろうな。





「俺頑張るわ。マジで」




「ここで待ってるね!竣の教師ぶり、見せてもらわないと!」




あははは、と

笑い合う。

あたしはこの光景を、

夢見ていた。


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