一緒に、歩こう




「食べてくれてありがと」




あたしがお皿を片付ける。

矢野くんは、美味かったと

感想をくれた。

あたしは気分よく

皿洗いをする。

すると矢野くんの一言。




「明日休みだから、泊まっていい?」




「うん。…え、泊ま、…え?」




流していた水を止める。

何て言った、今。

泊まるって…?





「ダメなら帰るけど」




「あ、全然!むしろ居てくれたら嬉しい…し、」




そう言って再び水を流す。

あたしの頭の中は。

男女の行為のことで

いっぱいだ。

もしそうなったらどうしよう。

満足させられるだろうか。

矢野くんはあたしのこと、

嫌にならないだろうか。

そんなことを考えながら、

お皿を洗い終えた。



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