一緒に、歩こう
「じゃ、おやすみ」
色々なことを考え、
心の準備までしたのに。
矢野くんはお風呂に入ると、
さっきコンビニで買った
パンツを履いて寝る体制に入った。
「お、やすみ」
あたしは気が抜けた声を出す。
何だ、あたしの方が
そういうことする気
満々だったみたいじゃない。
あの気持ち、返しなさいよ!
「何やってんだよ、寝ろって」
矢野くんは、まだ座っている
あたしをベッドに潜り込ませ。
向かい合せにぎゅっと抱きしめ、
腕を差し出して目を瞑った。
「頭ここ」
あえて腕から頭を外した。
ただ伸ばしているだけなら、
あたしの頭が邪魔だと
思ったから。
だけど、その腕は
腕枕をするつもりだったらしく。