一緒に、歩こう
「ここに書いてある人が補修の対象だからね。日時も書いてあるし、きちんと出席するように。テストもあるから、宿題少ないんだし、その分勉強してね」
元気に返事をする生徒は、
毎回補習がない生徒。
いつも名前が挙がる生徒は、
渋々返事をしていた。
あたしは終わりを告げて
教室を後にした。
「朝比奈先生!」
「はい?」
職員室に戻ると、
甲高い声で英語科の先生が
近付いてくる。
「先生、夏休みはお忙しい?」
「あ、特には。予定はないですけど…」
あたしがそう言うと、
先生はにやりと笑う。
「私、夏休み少し予定があるのよねえ。先生、私のクラスのテストの採点お願いしてもいいかしら?」
年輩の先生は、
断れないと知っていて
こういう風に若手を
うまく利用する。
「あ、はい。大丈夫ですよ」
「本当?悪いわね」
ありがと、と笑いながら
自分の机に戻っていった。
「はぁ………」
あたしは、1人
深いため息をつきながら。
「授業行こ」
次のクラスに、
授業しに行くことにした。