一緒に、歩こう
「でもまだどこ行くか、とか決めてねぇし。これからとりあえず探すけど、でも近くにいるから」
涙を。堪えることは不可能で。
「卒業したら、ずっと一緒にいろ。四六時中、ずっと」
あたしは涙をこぼしながら、
隼人の肩で頷くことが
精一杯だった。
「もう気にすんな。また大学決まったら教えるから。もう不安がったりすんなよ」
「ん、ありがと」
こんなにあたしのことを考えてくれて。
幸せで幸せで仕方なかった。
「腹減った、飯食いてぇ」
「今、作って来るね!」
あたしは急いで台所に向かった。
だけど。あたしは隼人の言葉に甘えて。
大事なことを気付けなかった。
分かってあげられていなかった。
そのことに気付いた時には、
もう遅すぎた。