一緒に、歩こう
13
去年と同様。
寒くてどうしても起きられない。
布団が恋しいと思いながらも、
洗面所に立つ。
今日は文化祭で、
あたしは朝早く学校に
行かなければならない。
「しょうがないか…」
するとそこへ1本の電話。
あたしは朝から誰だろうと思いながら、
電話を手に取る。
ま、この時間にかけて来るのは
紗夜か香織か、たまに誠二さん。
そして隼人しかいない。
「もしもし」
お見事、電話の相手は隼人で。
あたしは寝ぼけ眼で電話に出る。
『何してんの』
「準備だよ。先生に早く行ってって頼まれちゃって」
『じゃ俺も行く』
あたしは歯ブラシに、
歯磨き粉を付けながら返事を返す。