一緒に、歩こう
「早いよ、時間。もう準備出来てるの?」
『まだ。さっき起きたばっか』
そういえば、受話器から聞こえる
隼人の声は眠たそうな声。
いつか聞いたことある、
あたしの好きな可愛い声色。
「ゆっくりおいでよ。あたし材料とか切ってるし」
『分かった。急いで行く。じゃ後で』
ゆっくり来いと言ったのに。
なんて呟きながらうがいをして、
顔を洗いタオルに顔を埋める。
少しだけ電話しただけなのに、
心が躍るように嬉しい。
「…そうだ、早く行かなきゃ」
あたしは急いで服を着替え、
冷蔵庫にある今日必要な物を取り
車に乗り込んだ。