一緒に、歩こう
「これ次の補習日だからね。ちゃんと来るのよ?」
それだけ言い残して、
立ち上がった。
その時。
「お前がすんなら来てもいいよ」
「…え?」
突然発する声が。
あたしの耳を駆け巡る。
「先生だけが補習すんなら、来てもいいよ」
「な、何言って…そんなの無理よ、」
「じゃ来ねぇから。帰るわ」
勢いよく立ち上がり、
教室から出ようとする。
そんな。だって。
あたしだけなんて…、
出来るわけない。
だけど。でも。
「待って…!分かったからっ」
大きな声を出して
矢野くんを引き留める。
あたしに呼び止められて、
その場に立ち尽くす。