一緒に、歩こう
「今からフォークダンスを始めます。準備をして下さい」
という放送がかかり。
あたしはあたふたしてしまう。
早く外に行かなきゃ。
そう思った時。
「準備、しろってさ」
隼人はあたしの手を引いて。
教室の奥に引っ張って行く。
「外行かな…」
「2人で、踊ればいいだろ」
空は茜色。
あたしの心はピンク色。
「ばれないかな…」
「心配すんなって。こんな日に、校内見回るやつなんていねーよ」
その言葉と同時に、
音楽がかかる。
昔踊ったことがある、
懐かしいメロディー。
「踊れんの?」
「昔踊ったことある。懐かしい」
そっか、と言うと。
隼人はあたしをリードするように、
踊り始めた。