一緒に、歩こう
「何で今年から始まったのかな、これ」
小さな疑問をぶつけると。
「知らねぇ、校長の気まぐれ?」
「ありえるかも。今年で終わったりしてね」
感じたことのない、雰囲気。
色気のある隼人の顔に、
あたしは終始ドキドキする。
「来年はさ」
「ん?」
目の前の彼はぽつりと呟いて。
少し寂しそうな顔をした。
「俺達どーなってんだろうな」
「…えと、来年は」
きっと幸せだよ。
そう伝えようとしたのに。
言えなかった。
未来のことなんて、
予想出来ない。
あたしは今が良ければいい、
なんて思ってたから。
だから。
何も言えなかった。
そんなあたしに。