一緒に、歩こう
「離さねぇよ、絶対」
彼はそう言ってくれた。
握られる手が強くなって、
見つめられる視線が
やけに熱い気がする。
「俺は卒業するし、まだ進学とかどうなるか分かんねぇけど。どういう状況になっても俺らは変わんねぇ。だろ?」
すごく胸に響いて。
嬉しくて、たまらない。
だけど隼人の言葉は、
変わらないよって、
言ってほしそうな。
そんな風にも感じられた。
「当たり前でしょ。あたし達は変わるわけないよ」
先のことは考えてないけど。
隼人がいなくなることも
考えていない。
一緒にいるのが当たり前で。
彼がいきなり変なことを
言うものだから。
急に不安になってしまった。
「隼人は…どこも行かないよね?」
「行かねぇ。…ずっと一緒にいる」
ここでは抱き着けない。
学校だから。
キスも、本当は手を繋ぐことも
絶対出来ない。
だってここは、
学校だから。