一緒に、歩こう






だけどあたしは愛してしまった。

叶ってはいけなかった、

矢野隼人という男を。

毎日が幸せで、

何1つ不満がなくて。

だけどあたしの、

"どこも行かないよね"と

いう言葉が彼にとって、

どれだけ重く、苦しい言葉か。

あたしは理解して

あげられていなかった。

彼の返事を、何の疑いもなく

受け入れていた。

少し、ためらいがあったのに。







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