一緒に、歩こう





「英語科の先生に聞いてみる。だからちゃんと来て?」





「ちゃんと聞いとけよ」




矢野くんはそう言うと、

ふっと笑って教室を出て行った。




「何なの…もう」




意味のない発言でも。

あたしにとっては、

何十キロも重みのある言葉。



"お前がすんなら来てもいいよ"



ねえ、矢野くん。

どういう意味?

あたしがいいって言ってる。

そう思ってもいいの?

分かんない。

矢野くんが分かんないよ。

悩んでても仕方ないわけで。

あたしは教材を片手に

職員室に戻った。

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