一緒に、歩こう
「ずっと何かあったらどうしようって、そればかり考えてて。でも…」
「何もなかったろ。もういいから、泣くな」
今度は優しくぎゅって抱きしめられた。
目の前の彼は、やんちゃで、でも
あたしのことを必死に守ってくれる。
最強のヒーローだ。
「今日泊まっていい?」
「うん。一緒にいたい」
こくりと頷くと、
隼人は救急箱を自ら片付け
ソファに腰を下ろす。
「しばらくゆっくりしよう。お前疲れただろ?」
「ん、そだね」
あたしは座っている隼人の
隣に座って、寄り添い、
静かに目を閉じた。
「今日何食べたい?」
「肉」
「えー、それだけ?他には?」
「芽衣子」
なんて他愛のない会話を
交わしながら、
あたしと隼人は時間を過ごした。
色々あったけど、やっぱりこの時間は
何にも代えられない、
あたしの大切な幸せだ、と。
改めて気付くことが出来た。