一緒に、歩こう
「ただいま」
「お邪魔します」
あたしは靴を脱ぐと、
お父さんのいるリビングに
向かって歩く。
「お父さん…?」
リビングのドアをこっそり
開けると、そこには
ソファにどっしり座った
いつものお父さんがいた。
「芽衣子!帰って来たか!」
久しぶりの声を耳にし、
あたしは笑顔を向ける。
お父さんは立ち上がり、
あたしに近付いてくる。
「うん、元気?」
「当たり前だろ。お前は元気なのか?」
そう言いながら、
ニコニコしてあたしの肩を擦る。
「元気だよ!…あ、あのね今日はちょっと紹介したい人を連れて来たの」
「紹…介?」
何のことか分からない、と
言いたげない顔であたしを見つめるお父さん。