一緒に、歩こう
「はい、ビールよ~」
お母さんはウキウキ気分で
ビールを2本持ってきた。
「母さん、芽衣子の彼氏は面白いぞ」
「何かあったの?」
「歳が18歳だって冗談言うんだ」
「まあ。お茶目なのね」
はっはっは、うっふっふ。
お父さんもお母さんも、
愉快そうに笑っている。
そうだよね、そうなるよね。
まさかそんな歳の彼氏を
連れてくるとは思ってないよね。
「すいません」
お父さんとお母さんに向かって、
突然隼人は凛々しい声で言った。
「歳は本当に18歳です。僕は芽衣子さんと同じ学校の3年生です」
沈黙になったリビング。
お父さんとお母さんは、
見つめ合いながら固まっている。
あたしは未だその場で
固まったまま。