一緒に、歩こう
「僕は今こうしていられることに、幸せを感じています。僕が生徒だとか、先生だとかよりも、芽衣子さんを1人の女性として想っています」
「隼人くん」
突然静かだったお父さんが、
隼人の名前を呼んだ。
あたしも同時に顔を上げ、
隼人をまっすぐ見るお父さんを
見つめた。
「これから先、もし芽衣子が責められることがあったとしたら、君はどうする?」
それを聞いた時、ふと思い出した。
昔、まだあたしが高校生だった頃、
お父さんがあたしに言った言葉。
"お父さんは、芽衣子の1番の味方でいてくれる男なら誰でもいい。それが芽衣子の幸せに続くと思うんだ"
そう言った時、お父さんは少し
酔っ払っていて。
本音かどうか分からなかったけど。
「僕は」
本当に、そう思ってたんだね。
お父さん。
「芽衣子さんの1番の味方でいます」
あたしもびっくりした。
隼人の答えが、お父さんの
考える模範解答だから。
「よし、気に入った」
お父さんはそう言って、
机をどんと叩き。